NERV ENTERPRISE
導入概要レポート

GS Security Dome (GSSD)
次世代ファイル無害化によるセキュア・エコシステムの構築

ゼロトラスト原則に基づく「無害化(CDR)」で、脅威を物理的に排除。ビジネスの継続性と信頼性を担保する戦略的ゲートウェイです。

1 イントロダクション:デジタル環境におけるファイル交換の再定義

現代のビジネスにおいて、電子メールやファイル転送ソフト(MFT)を用いたファイル共有は業務遂行に不可欠です。しかし、既存のソリューションの多くは、ファイルを「運ぶ」際の通信経路の安全性(点から点への暗号化)には長けていても、その中身(コンテンツ)の安全性を保証するものではありません。高度標的型攻撃(APT)やランサムウェアの多くは、検知回避技術を駆使した未知の脅威をファイルに混入させ、ユーザーの信頼を逆手に取って組織内部へ侵入します。

従来の「検知」型セキュリティの限界を認識することが重要です。シグネチャベースやAIによる検知は、本質的に「リアクティブ(反応的)」なアプローチであり、未知のゼロデイ脆弱性に対しては常に後手に回ります。これに対し、GS Security Dome (GSSD)は、すべてのファイルを潜在的な脅威として扱う「ゼロトラスト」原則に基づき、革新的な「プロアクティブ(予防的)」アプローチを採用しています。

GSSDが提供する「無害化(CDR)」は、脅威を特定して排除するのではなく、ファイルから攻撃の種を物理的に取り除き、安全な状態へと「再構築」します。この戦略的シフトが、ビジネスの継続性と信頼性を担保する決定的な差別化要因となります。

2 GateScanner® CDR:未知の脅威を無効化するコア・テクノロジー

GSSDの中核を成すのは、数々の受賞歴を誇るGateScanner® Content Disarm and Reconstruction (CDR)技術です。ゼロトラスト・アーキテクチャの思想を体現し、ファイルの出所や外見に関わらず、すべてのコンテンツを「疑わしいもの」として処理します。

無害化プロセスによるビジネス継続性の確保

GateScanner® CDRは、以下の3段階の厳格なプロセスを経て、ファイルの有用性を損なうことなく安全性を確保します。

Step 1

深層スキャン (Deep Threat Scan)

ファイル構造の細部まで徹底的に解析し、既知の脅威の有無を確認します。

Step 2

武装解除 (Disarm)

マクロ、スクリプト、悪意のある埋め込みオブジェクトなど、攻撃に利用される可能性のある要素を物理的に特定・除去します。

Step 3

無害化コピーの生成 (Neutralized Copy)

元のファイルの可視性・機能を維持したまま、安全な要素のみを用いて「無害化された信頼できるコピー」を再構築します。

So What?(それがどう価値をもたらすのか)

従来の検知型システムが「疑わしいファイルをブロックする(業務を止める)」のに対し、GSSDは「安全なコピーを即座に生成する」ことで、業務を止めることなく安全なファイルを受け取れる環境(Uninterrupted Workflows)を提供します。ランサムウェアやAPT攻撃の脅威を根絶しつつ、組織の生産性を最大化することが可能になります。

3 GSSDが提供する統合セキュリティ・ソリューション

GSSDは、多層防御(Defense in Depth)を実現するための広範なセキュリティ機能を単一のプラットフォームで提供します。

マルチチャネル・イングレス保護(流入経路の包括的遮断)

組織内へのファイルの流入経路は多岐にわたります。GSSDはこれらすべてをカバーします。

Secure MFT & Secure Email

外部とのデータ交換において、経路の暗号化に加えてコンテンツ自体の無害化を強制。E egress/Ingress(流出入)の安全性を飛躍的に高めます。

USB Kiosk & Cloud Storage Sync

物理的なUSBデバイスや、OneDrive・プライベートクラウド経由の流入に対しても、ブラウザベースのキオスク機能や同期統合を通じて一貫したCDR処理を適用します。

Automated File Transfers

ネットワーク間移動を自動化。ファイルが移動する過程で必ず無害化処理を介在させることで、人為的ミスを排除しつつ、セキュアなネットワーク分離(エアギャップ等)環境を維持します。

セキュアなデータ保管

Secure File Vault Storage

無害化が完了したファイルは、最新の暗号化規格であるAES-256を用いて保護された「Vault(保管庫)」に保存されます。静止データの機密性と整合性を高度に維持し、コンプライアンス要件を容易にクリアできます。

4 ユーザーエクスペリエンスと運用効率の最大化

「高度なセキュリティは、高い利便性を伴わなければ形骸化する」という信念のもと、GSSDは優れたユーザーエクスペリエンスを提供します。

クライアントレスによるデプロイ摩擦の解消

GSSDは、Webブラウザベースのクライアントレス(Clientless)なインターフェースを採用しています。エンドユーザーのデバイスに専用ソフトをインストールする必要がなく、導入の障壁と運用のオーバーヘッドを劇的に削減します。

パスワード保護ファイルの処理

暗号化による検知回避(Evasion)を許しません。ユーザーが安全な入力画面からパスキーを提供することで、システムが解凍・スキャン・再無害化を自動実行します。

セキュア・リプライ機能

アカウントを持たない外部ユーザーに対し、ワンタイムリンクを発行。外部からの返信ファイルも組織のポリシーに則り無害化して受け取る双方向の安全性を確保します。

マルチチャネル通知(Clickatell連携)

Clickatell APIを用いたSMS配信機能。共有リンクとパスワードをメールとSMSに分離して送信する2要素認証(2FA)など、最高水準のセキュリティを最小の操作負担で実現します。

5 戦略的な管理機能とシステム統合

システム管理者は、詳細なコントロールパネルを通じて組織全体のガバナンスとコンプライアンス(GDPRやデータ主権等)を維持できます。

統合的なID管理とポリシー適用

  • 集中型ID管理:Active Directory (AD)、Azure Graph、SAML (Ping Identity / Azure) との高度な連携。既存のユーザー管理体系にシームレスに統合でき、「シャドーIT」のリスクを軽減します。
  • 高度なカスタマイズ・ポリシー:ドメイン、グループ、個別アドレス単位で、ファイルサイズ・種類・保存期間・エンジンプロファイル(バイパス可否等)を詳細に定義可能です。

可視性と可用性のモニタリング

  • 詳細なダッシュボード:スキャン統計(Approved:承認、Reconstructed:無害化再構築、Dropped:拒否)をリアルタイムで可視化。
  • サーバー・ヘルス・モニタリング:IIS、データベース接続、CPU、メモリ、ストレージの状況をリアルタイムで確認。エンタープライズ環境で求められる高い可用性と自己監視能力を備えています。
  • 多層防御の強化:サンドボックスや次世代AVなど、外部のセキュリティ製品と連携する拡張性を備えています。

6 結論:GS Security Domeによる「信頼できるシステム」への門戸

GS Security Domeは、単なるセキュリティツールではなく、現代のビジネスにおいてデジタル資産を安全に流通させるための「戦略的ゲートウェイ」です。ファイルを「疑う」ことから始まるゼロトラスト・アプローチと、それを実効的なものにするGateScanner® CDR技術により、組織は脅威を物理的に排除しながら、ファイルの有用性とビジネスの生産性を同時に手に入れることができます。

Your gate to a safe system

GSSDの導入は、巧妙化するサイバー攻撃から組織を守り抜くと同時に、管理コストの削減と利便性の向上を両立させる、未来志向のセキュリティ投資となります。安全なシステム環境を構築することで、本来のビジネスの価値創出に専念できる「信頼の基盤」を、貴組織に提供いたします。